2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07334
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安食 優 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 星形成率 / 銀河形成 / 銀河進化 / ライマンα輝線銀河 |
Research Abstract |
平成15年度は前年度までに得られていたデータの解析とそこから得られた結果の発表、さらに、新たな観測データの取得を行った。 すばる望遠鏡主焦点カメラ(Suprime-Cam)によって既に得られていた、SDSS高赤方偏移クエーサーフィールド周辺の狭帯域フィルターのデータを用いて赤方偏移5.7のライマンα輝線銀河探査を行った。その結果、20のライマンα輝線銀河の候補を探し出すのに成功した。それらのサンプルを用いてライマンα輝線の光度関数を求める試みを行った。この試みによりは当時の宇宙にどれだけの星が作られていたかの見積りに新たな値を与えることができた。この結果はThe Astronomical Journal誌に投稿し、採択された。さらに、この研究結果は9月に愛媛大学で行われた日本天文学会秋季年会において口頭発表を行った。また、同じデータから中間帯域フィルターを用いた赤方偏移5.8のライマンα輝線銀河探査も行い、2つの帯域の異なるフィルターセットの測光データからライマンα輝線銀河のより精確な赤方偏移が推定出来ることを示した。この結果は、名古屋大学で行われた日本天文学会春季年会においてポスター講演で発表し、また、PASJに論文として現在投稿中である。 これらの研究で得られたライマンα輝線銀河候補についてはGEMINI望遠鏡による分光観測が予定されている。この観測によって赤方偏移5.7のライマンα輝線銀河の更なる詳しい性質が明らかに出来ると期待される。 また、2月には新たに4つのフィールドについて、Suprime-Camで狭帯域フィルターでの撮像観測を行った。平成16年度中にはこれらのデータから赤方偏移5.7のライマンα輝線銀河を探し出してその性質が観測フィールドごとの違い等の研究を進め、早い段階で結果を出す予定である。
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Research Products
(1 results)