2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07334
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安食 優 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 星形成率 / 銀河形成 / 銀河進化 / 輝線銀河 |
Research Abstract |
2002年2月に取得済みのSDSS1044+0125フィールドのすばるSprime-Camの画像データに基づいて強帯域フィルターNB816、及び中間帯域フィルターIA827を用いたライマンα輝線銀河探査の過程で見つかった、より低赤方偏移側の輝線強度の大きい輝線銀河55個についての研究をさらに深めた。測光的赤方偏移によって求められたlikelihoodの分布を用いることでこれらの輝線天体を、赤方偏移0.21からの0.26のHα輝線銀河、赤方偏移0.63から0.0.68のHβまたは[OIII]輝線銀河、赤方偏移1.18から1.20の【OII】輝線銀河の3種類に分類した。さらにその分類の確からしさに応じて2つのグループに分けることで、数密度や輝線等価幅の分布をさらに詳細に調べた。この結果をSDSSサーベイのデータに存在する近傍の同種の輝線銀河との比較をした結果、[OII]輝線銀河の数密度が近傍に比べて大きいことが分かった。これは赤方偏移1から0の間の銀河における星形成の進化を反映していると考えられる。この成果についてはPublications of the Astronomical Society of Japanに論文を投稿し、第58巻1号に掲載された。 また、2004年2月に取得済みのNB816データ、すばる望遠鏡のアーカイブで公開されているNB816のデータ、及びGOODSのプロジェクトとしてハッブル宇宙望遠鏡によって撮られた広帯域データを使用して、南北二つのGOODSフィールドにおける赤方偏移5.7のライマンα輝線銀河探査を行った。この探査の結果、北のフィールドでは10個、南のフィールドからは4個のライマンα輝線銀河候補を見つけ出すことが出来た。ハッブル宇宙望遠鏡による高空間分解能の画像が存在するライマンα輝線銀河のサンプルは当時の銀河の様子を知る上で非常に有用である。これらの星形成率などの性質について調べ、年齢が1億歳以下の比較的若い銀河が多く含まれている可能性があることを示した。この研究の成果についてはThe Astrophysical Journalに論文を投稿し第638巻第2集に掲載された。
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Research Products
(2 results)