2003 Fiscal Year Annual Research Report
局所パターン培養による細胞・組織チップデバイスの開発
Project/Area Number |
03J07360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶 弘和 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞・組織 / タンパク質 / 表面 / パターニング / 培養 / マイクロ電極 / バイオアッセイ / バイオデバイス |
Research Abstract |
胚性幹細胞(ES細胞)研究の急速な進歩を受けて,細胞をマテリアルとして用いる概念(必要なときに必要な機能を備えた細胞を必要なだけ用いること)が具現化しつつあり,再生医療に代表されるような組織工学やDNAチップ・プロテインチップの延長線上に浮上する細胞をセンサ素子とするような次世代型のバイオデバイスの研究開発が盛んに行われるようになってきた.その中で,大別して細胞センシングと細胞マニピュレーションの2つが重要な基盤技術に列挙されるが,本研究では特に後者に注目し,細胞機能を巧みに利用するためにマイクロパターン培養技術の開発研究を行った. マイクロスタンプ法を利用した細胞のパターニング・組織化に関して検討した.自作のマイクロスタンプで細胞接着性タンパク質を転写したガラス基板上で細胞を培養し,マイクロメートルの精度で細胞をパターニングすることに成功した.続いて,心筋細胞や神経細胞などの興奮性細胞のパターン培養に取り組み,心筋細胞を一列に並べて培養することで,互いの細胞が電気的に結合し,ライン方向に配向生を有して同調して拍動することを明らかにした.さらに,心筋組織に特徴的な薬理作用をパターン状の微小心筋組織で再現・確認した.これらの結果に基づき,従来の個々の細胞活性変化を評価するアッセイを拡張し,微小組織レベルの機能活性(細胞ネットワーク活性)を指標とする新規なバイオアッセイ系を提案した.また,細胞のマイクロパターンを微小流体デバイスに組み込むことで,マルチ層流によるパターン局所への薬剤投与にも成功した. 電気化学的に基板を改質して細胞パターンを形成する新しい手法を開発した.本手法は,従来法の課題である「異種細胞の段階的マルチパターニング」にとどまらず、3次元構造体である半導体デバイスや組織工学で用いられる細胞支持体への局所的な細胞配置誘導が可能であると期待される.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kaji et al.: "Intracellular Ca^<2+> Imaging for Micropatterned Cardiac Myocytes"Biotechnology and Bioengineering. 81・6. 748-751 (2003)
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[Publications] H.Kaji et al.: "Pharmacological Characterization of Micropatterned Cardiac Myocytes"Biomaterials. 24・23. 4239-4244 (2003)
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[Publications] H.Kaji et al.: "Localized Chemical Stimulation to Micropatterned Cells Using Multiple Laminar Fluid Flows"Lab on a Chip. 3・3. 208-211 (2003)
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[Publications] H.Kaji et al.: "Microelectrochemical Approach to Induce Local Cell Adhesion and Growth on Substrates"Langmuir. 20・1. 16-19 (2004)