2004 Fiscal Year Annual Research Report
局所パターン培養による細胞・組織チップデバイスの開発
Project/Area Number |
03J07360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶 弘和 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロパターニング / リソグラフィー / マイクロ電極 / マイクロ流路 / バイオアッセイ / バイオチップ / バイオデバイス / 細胞・組織工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,動物細胞をパターン状に培養することで規定された細胞ネットワークを再構築し,細胞間コミュニケーションの活性を指標とするバイオアッセイシステムを構築することである. 昨年度に提案した電気化学リソグラフィーによる細胞パターニング法について検討した.従来のフォトリソグラフィーベースのマイクロパターン培養技術では,培養に先立って,基板上に細胞接着性および細胞非接着性の領域をパターニングする必要があった.本手法では,基板上の細胞接着性の改質をマイルドでウェットな環境で行うため,細胞を培養しながらにして接着領域をパターニングできる.一枚の基板上に,異なる種類の細胞を段階的にパターニングすることで,マルチ細胞アレイを作製することに成功した.さらに,培養基板の細胞接着性を改質するのに用いる生成化学種の細胞毒性を検討した上で,予めパターニングした細胞群の近傍を改質することで,細胞の増殖・遊走の方向性制御が可能であることを示した.つまり,本手法を用いることで,基板への細胞接着を空間的かつ時間的に制御可能であり,複雑かつ精密な細胞ネットワーク構築への足がかりを得ることができた. 開発目標のバイオアッセイシステムのマイクロ流路システムへの統合を念頭において,電気化学リソグラフィーによる細胞パターニング技術の流路システムへの集積化を検討した。半導体微細加工技術を用いることで,マイクロ流路内に電極アレイを作製し,流路基板上への細胞の局所固定を行った.マイクロ流路内などの半閉鎖的な空間において,細胞などのバイオ材料のパターニングを"その場"で達成する技術の報告例はなく,本技術は本研究の目的にとどまらず,プロテインチップの開発などへの波及効果が期待される. 以上,基盤技術の開発,基礎データの収集を行い,研究期間最終年度における研究目的達成に向けた足がかりを得た.
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Research Products
(5 results)