2003 Fiscal Year Annual Research Report
配向交差分子線の衝突イオン化反応による分子軌道の立体反応特性の3次元計測
Project/Area Number |
03J07372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 優一 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ペニングイオン化反応 / 古典トラジェクトリ計算 / 分子軌道 / 相互作用ポテンシャル / 立体動力学 / 電子分光 |
Research Abstract |
二次元ペニングイオン化電子分光法により得られる、部分イオン化断面積の衝突エネルギー依存性(CEDPICS)の実験結果から、分子と準安定励起He^*(2^3S)原子との異方的な分子間ポテンシャルの決定をいくつかの分子に対して行った。その結果、実測CEDPICSを良く再現するような相互作用ポテンシャルを得ることに成功した。CEDPICSには分子間ポテンシャルと電子を放出する分子軌道の両者の異方性が反映されているため、実測CEDPICSの解析から分子軌道の空間分布に関する情報を取り出すには、分子間ポテンシャルに関する情報が必要となる。分子のイオン化ポテンシャルよりも高い励起エネルギーを有するHe^*(2^3S)原子を含んだ系を非経験的分子軌道法により精度良く扱うことは非常に困難であり、実験結果から相互作用ポテンシャルを決定することで極めて重要なデータを提供できると期待される。He^*(2^3S)原子と相互作用の仕方がよく似ているLi原子を用いた非経験的計算でモデルポテンシャルを求め、古典トラジェクトリ計算により得られるCEDICSと実測CEDPICSとがよく一致するようにモデルポテンシャルを修正したところ、He^*(2^3S)原子の2s軌道と分子の空軌道との相互作用を考慮することで実測をよく再現する相互作用ポテンシャルが得らこれることが分かった。 窒素分子および一酸化炭素分子については、実測CEDPICSをよく再現する相互作用ポテンシャルが得られるようになったため、最適化された相互作用ポテンシャル面上での古典トラジェクトリ計算により実測CEDPICSから分子軌道関数を最適化することを試みた・最小基底(STO-6G)で構成される分子軌道関数を実測CEDPICSに対して最適化した結果、より大きな基底関数(6-311+G^*)を用いて理論的に計算される分子軌道の外形の特徴とよく一致する分子軌道が得られた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Satoshi Maeda, Masakazu Yamazaki, Naoki Kishimoto, Koichi Ohno: "An overlap expansion method for improving ab initio model potentials : Anisotropic intermolecular potentials of N_2, CO, and C_2H_2 with He^*(2^3S)"Journal of Chemical Physics. 120. 781 (2004)