2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核に局在するアクチン関連タンパク質hArp6のヘテロクロマチン形成への関与
Project/Area Number |
03J07405
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大渕 恵理 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アクチン関連タンパク質 / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
1.抗gArp6ポリクローナル抗体の作製 Hisタグを付加したgArp6を大腸菌で発現させ、精製した抗原をウサギに免疫することにより作製した。 2.Arp6のin vivoでの機能解析 ・脊椎動物のArp6の機能を解析するため、ニワトリDT40細胞を用いてgArp6欠損細胞を作製した。作製の過程でgArp6欠損細胞が致死である可能性が示唆されたため、培地にテトラサイクリンを添加することによりgArp6の欠損を誘導可能な細胞クローンを作製した。gArp6欠損誘導後の細胞の増殖能を解析したところ、gArp6の欠損に伴って細胞の増殖が停止する事が明らかになった。このことからgArp6が細胞増殖に必須である事が示された。 ・細胞周期分裂期におけるgArp6の機能解析 gArp6欠損誘導4日後に細胞を固定し、分裂期における細胞の形態を顕微鏡観察した。 その結果、gArp6を欠損した細胞では染色体のmisalignmentなどの染色体の分配異常がみられた。 ・細胞周期間期におけるgArp6の機能解析 macro chromosome(通常は細胞核の周辺部に配置される)とmicro chromosome(細胞核の中心部に配置される)を識別できるプローブを用いた3D-FISH法により、間期核内におけるこれらの染色体の核内配置を比較した。その結果、gArp6を欠損させた細胞では、染色体の核内配置がランダムになるという異常が観察された。gArp6が核マトリクスの構造や機能制御を介して、染色体の核内配置に関与している事が示された。
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Research Products
(2 results)