2005 Fiscal Year Annual Research Report
プラスミドベクターを用いた遺伝子導入法による新規過排卵誘起法の開発
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03J07413
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 香奈子 (宮林 香奈子) 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 卵胞発育 / 血管新生 / 血管新生因子 / 血管内皮増殖因子(VEGF) / 卵巣顆粒層細胞 / 過排卵誘発法 / 遺伝子導入 / in vitro electroporation |
Research Abstract |
本研究では、血管内皮増殖因子(VEGF)の遺伝子を組み込んだ卵巣顆粒層細胞特異的発現ベクターを作製し、それを動物に導入することにより、顆粒層細胞で特異的にVEGFを発現させ、卵胞周囲の卵胞莢膜層に血管新生を誘起させることにより卵胞発育を促す新規過排卵誘起法の開発を目的としている。ベクターを細胞に導入して目的の遺伝子を細胞特異的に発現させるために、まず細胞特異的発現プロモーターの選択と発現プラスミドベクターの構築を行った。卵巣顆粒層細胞に特異的に発現していると考えられている3つの因子(FSH receptor、inhibin・subunit、p450 aromatase)のプロモーター領域を含む発現ベクターを卵巣顆粒層およびNIH/3T3細胞へのトランスフェクション後、ルシフェラーゼアッセイを行って、顆粒層細胞で特異的発現するかどうか調べてきたが、これらの活性レベルは高いとは言えず、更に特異性が高く、高いレベルで発現させることができる領域の検索が必要であると考えられる。この実験と平行して、ラットへのベクターの導入方法を検討した。導入したベクターが生体の細胞内で遺伝子発現させることができるかどうかを確かめるために、レポーター遺伝子としてLacZ遺伝子を組み込んだ強制発現用ベクターを用いて、導入方法の検討を行った。ラットの尾静脈よりLacZベクターを導入したところ、一部の組織(肝臓や筋肉)でLacZの発現が観察されたが、卵巣では発現が見られなかった。次に、in vitro electroporation法により、卵巣に直接ドベクターを投与し卵巣にパルス電流を流すことによって、ベクターが組織に取り込まれ、発現するかどうか調べた。その結果、LacZの発現は卵巣の間質細胞で見られたが、顆粒層細胞では見られなかった。今後、導入の条件検討や、他の導入方法を試す必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)