2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07421
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
金 成主 独立行政法人情報通信研究機構, 総合企画部・国際連携室, 特別研究員
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Keywords | ルールダイナミクス / セルオートマトン / ランダム性判定テスト / 擬似乱数発生器 / 複雑性 |
Research Abstract |
・次世代標準暗号AESの選定にも用いられた、米国のNIST(National Institute of Standards and technology)から出ている擬似乱数発生器のランダム性判定テスト16個のうち2つのテスト(Discrete Fourier TransformテストとLempel-Ziv Compressionテスト)において、理論的な間違いを含む4つの間違いを指摘し修正を行った。この結果に基づいて2004年12月にNIST自身による修正が行われたのだが、依然としてNISTから配布されているパッケージには問題(テストにパスしたかどうかを判定するところなど)が残されているので、そのパッケージの修正版を自身で作成した。また、このNISTから出ているテストが世界的に使用されていることもあり、問い合わせのメールにも対応した。 ・セルオートマトンの複雑性を言語理論で特徴づけた場合、初期値集合が正規言語であれば、セル数が有限か無限かにかかわらず、有限時間後の配位集合も正規言語であることが知られているが、セルオートマトンのローカルルールが全セル状態の平均値によって変化するルールダイナミクス系においては正規言語から文脈自由型言語に遷移できることを証明した。文脈依存型言語は正規言語を含む言語なので、このことは正規言語から正規言語に遷移する場合も含み、どのような場合に言語階層間を飛び越し、また、どのような場合に飛び越すことが出来ないのか具体的な例で示すことがこれからの課題である。この成果を韓国のポハン工科大学とPai-Chai大学の招待講演で発表し、現在、論文雑誌に投稿中である。
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