2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07500
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 健太 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 精度保証付き数値計算 / 自由境界問題 / 重調和方程式 / スペクトル法 / 有限要素法 / Driven Cavity問題 / 線形化逆作用素 |
Research Abstract |
我々は平成16年度においては、自由境界問題に対する精度保証、および、重調和方程式に対する精度保証についての研究を行った。 1.自由境界問題に対する精度保証 ロープの一方の端を地面から持ち上げた位置で固定した時に、ロープが地面に接する点の位置とロープの形状を求める、などの問題から生じる自由境界問題がある。これについて、U. Schaferは有限差分法的な考え方を基盤とした精度保証付き数値計算を行っているが、彼の方法は解の大域的な一意存在性を仮定するなどの非常に強い条件が必要である。 我々はこの問題に対し、一意存在性などの強い仮定を置かずに一般性を残したまま、元の方程式を混合型の不動点方程式に変換し、線形化逆作用素を直接評価することにより解の検証に成功することができた。 2.重調和方程式に対する精度保証 二次元Navier-Stokes方程式を流れ関数を用いて定式化すると重調和方程式が導出される。この重調和方程式の数値計算や精度保証においては、通常は有限要素法が用いられるが、レイノルズ数がある程度の大きさ以上になると非常に多くの計算時間がかかってしまう。この問題に対し、スペクトル法の基底関数を用いることが出来れば検証の効率化を図れると期待できる。 二次元矩形領域においてはsin関数を基底関数として用いれば良いのであるが、基底関数に境界整合性が無いので、そのままではスペクトル法を適用することが出来ない。これに対し我々は、境界条件を合わせる作用素を導入し、さらにその作用素の厳密な評価を与えることにより問題を解決した。 実際にこの方法をDriven Cavity問題の数値検証に適用し、有限要素法を用いた従来の方法よりも良い結果を得ることができた。
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Research Products
(2 results)