2003 Fiscal Year Annual Research Report
底質移動機構における吹送流の影響と新たな3次元海浜変形モデルの構築
Project/Area Number |
03J07554
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鵜崎 賢一 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 底質移動 / 吹送流 / 補償流 / 浮遊砂 |
Research Abstract |
近年,底質移動における吹送流の影響が指摘されているが,それを定量的に評価した研究例は少ない.そのため,吹送流を考慮した予測計算を行っても,最終的な地形変化の検証が困難である.本研究では,漂砂量とそれに伴う地形変化量における吹送流の影響について,実験的に定量的評価を行った.初年度は,浮遊砂が卓越する場を想定し,浮遊砂フラックスと地形変化について検討を行った.実験では,規則波を造波した場合のRun1,ならびに規則波に微風を吹かせた場合のRun2,強風を吹かせた場合のRun3において,底面近傍における流速と濁度を測定し,浮遊砂フラックスを算定した.また,地形変化量における影響を定量的に調べるために,岸沖方向の二断面で浮遊砂フラックスの鉛直分布を計測し,その鉛直積分アラックスの岸沖方向変化を算定して地形変化量と比較検討を行った.風速の増加とともにシールズ数が増加し,底面近傍の浮遊砂濃度C_bの値も増加する.浮遊砂フラックスについては,岸向きを示す正向きの半周期フラックスの値はさほど変化しないものの,負向きの半周期フラックスの絶対値が増加する.その結果,ネット・フラックスも負で絶対値が増加する.地形変化はRun1,2においては局所的な侵食と堆積を繰り返すが,Run3においては全域的に一様な侵食となる.鉛直積分された浮遊砂フラックスはいずれの条件においても負向きであり,風速の増加とともにその絶対値も増加する.しかしながら,計測断面間での空間変化量は微風であるRun2がもっとも大きな値となる.Run3では,浮遊砂フラックスの空間変化量は減少するものの地形変化量は最大となる.このことから,底面近傍で大きな量の掃流砂が発生していることがわかる.以上のことから,吹送流の存在によって地形変化のパターンならびに変化量は大きく変化し,卓越する移動形態と漂砂量の値も大きく変化することがわかった.(796)
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 戸谷昭浩, 田畑敦圭, 鵜崎賢一, 松永信博: "波・流れ共存場における底質移動"土木学会西部支部研究発表会. II. B-12-B-13 (2004)
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[Publications] 田畑敦圭, 戸谷昭浩, 鵜崎賢一, 松永信博: "底面近傍の浮遊砂フラックスにおける吹送流の影響"土木学会西部支部研究発表会. II. B-54-B-55 (2004)