2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07576
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前園 泰徳 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 外来種 / 間接効果 / 駆除 / クマネズミ / マングース / 在来種 / 群集 |
Research Abstract |
本研究では,鹿児島県奄美大島において,1)外来種と在来種間の相互関係を特に間接効果に注目して明らかにし,2)多数の生物を対象とすることの出来る食物網モデルを構築することによって,在来生物群集へのマングース駆除の影響を予測することを目的としている. 今年度は,前年度に引き続き,(1)8カ所に設けた調査プロットにおいてクマネズミの標識再捕獲とセンサーカメラによる撮影を行い,それぞれのプロットにおける生息密度を求め,(2)各季節の食性を明らかにするために胃内容分析を行い,(3)各プロットにおける様々な生物のセンサスを行った.さらに,(4)種間の関係を明らかにするために野外実験を行う予定であったが,度重なる台風の到来によって環境が著しく撹乱を受けたため,今年度の実施はとりやめた. 今年度の調査により,各調査プロットにおいて捕獲されたクマネズミの生息密度にはおおまかな傾向があることがわかってきた.島中央部においてクマネズミの生息密度は高い傾向がある一方,南部に向かうにつれ,生息密度は減少傾向にあった.季節的な変化は昨年度の傾向と異なり,いまだ一般化には至らないが,春にどのプロットにおいても新規個体が連日捕獲されたことから,春は個体群の移動の時期にあたることが予想された.また,胃内容分析では昨年度同様に春以降は動物食,秋以降は植物食に偏る傾向が見られた.しかし,今年度の秋にはクマネズミの主食であるシイの実がほとんどならなかったため,代替的なエサを利用するものが多かった.センサスについては,一貫した傾向は見ることができなかった.これはおそらく台風による環境の攪乱が影響していると思われる.
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Research Products
(1 results)