2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07589
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
佐藤 陽子 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 膜タンパク質 / トランスロコン / トポロジー / シグナル配列 / 生体膜 / Na^+ / H^+交換輸送体 |
Research Abstract |
膜タンパク質は、細胞膜を隔てたシグナルや物質の流通に重要な役割を果たす分子であり、正常に機能するためには正しい膜貫通構造(トポロジー)を形成する必要があるが、その形成過程には不明な点が多い。本研究では、Na^+/H^+交換輸送体(NHE/NHXファミリー)のトポロジー形成過程について以下のような知見を得た。 (1)ヒトNHE1の不完全な膜貫通部位(第10疎水領域)は、膜内に半分埋まった構造をしており、糖鎖付加修飾やシグナルペプチド切断部位を持っていることが明らかになった。しかし、これらの修飾・切断部位は、通常の構造形成時にはその作用を受けないことから、第10疎水領域は構造形成時には一度も小胞体内腔側に露出しないまま半分埋まった構造が形成されることがわかった。この結果は、K^+チャネルのK^+透過孔の構造形成過程とは異なるものであった(佐藤ら、BBRC2004)。 (2)シロイヌナズナNHX1とヒトNHE1は、アミノ酸配列が類似しているにもかかわらず、異なるトポロジーモデルが提唱されていた。我々は、そのトポロジーモデルの検証実験を行ったところ、シロイヌナズナNHX1とヒトNHE1のトポロジーは同一であった。この結果は、これまでの報告とは異なるものである。また、ヒトNHE1にはシグナルペプチドが存在し、シロイヌナズナNHX1には存在しないことから、シグナルペプチドの有無によるトポロジー形成過程の違いを比較した。その結果、異なる過程を経て同一のトポロジーが形成されることを明らかにした(佐藤ら、投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)