2004 Fiscal Year Annual Research Report
強ひずみ加工法による低温・高ひずみ速度超塑性Cu-Zn合金の開発
Project/Area Number |
03J07702
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
根石 浩司 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 強ひずみ加工 / 超塑性 / 銅合金 / 鍛造性 |
Research Abstract |
従来の強ひずみ加工法に欠落していた量産性を付与した連続高速強ひずみ加工法,Severe Torsion Straining Process (STSP)を用いて,黄銅(Cu-Zn)系合金への結晶粒微細化の有効性を確認し,塑性加工性の評価の一つであるアップセット試験を用いて,結晶粒微細化の効果の一つである超塑性特性を評価した.得られた成果は、以下の通りである. (1)単相Cu-Zn合金であるJIS-C2600(以後C2600)合金を温間でSTSP加工を施して結晶粒の微細化を図り,結晶粒度や再結晶挙動を調べた.結晶粒微細化にはSTSP加工を可能な限り低温で行うことが有効である.再結晶は,温間でのSTSP加工や冷間でのECAP加工に関わらず再結晶温度がほぼ一致したことより,熱活性挙動のみで再結晶温度が決定していることが確認された. (2)温間STSP加工で結晶粒を微細化したC2600合金を250〜300℃で圧縮試験することにより、圧縮特性に及ぼす結晶粒度の影響を調査した.結晶粒径を〜2μmに微細化・保持することで,圧縮特性の著しい向上が図れることを確認した. (3)2相のCu-Zn合金であるJIS-C2800(以後,C2800)に温間でSTSP加工を施し結晶粒の微細化を行い、結晶粒度及ぼす加工条件の影響について検討を行った.相変態が生じる温度域で行い,冷却による組織の凍結を素早く行うことが必要であることを確認した.また,熱的に安定な微細粒組織を維持する温度を調査し,STSP加工したC2800を200〜300℃で圧縮試験することにより、圧縮特性に及ぼす結晶粒度の影響を調査した.アップセット試験から,従来では不可能であった200℃近辺での鍛造可能な圧縮特性を示し,STSP加工条件の最適化により超塑性特性の向上が図れることを確認した.
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Research Products
(1 results)