2004 Fiscal Year Annual Research Report
GABA受容体の機能的構築に関わる新しい分子に関する研究
Project/Area Number |
03J07823
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
照沼 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | GABA_A受容体 / PRIP / PKA / PP1 |
Research Abstract |
GABA_A受容体β1-3サブユニット結合蛋白質PRIP-1がGABA_A受容体のリン酸化にどのような役割を果たしているかを解明するために以下の研究を行った。GABA_A受容体のリン酸化レベルを比較するために野生型、PRIP-1ノックアウト(PRIP-1^<-/->)マウスの海馬スライス標本を用いてPKAによるリン酸化を検討した。フォルスコリンで刺激したところ、PRIP-1^<-/->マウスでβ3サブユニットのS408/9のリン酸化が著明に減少していた。この原因を探るために、PKA活性を測定したところ違いは認められなかったが、PP1cαの活性がPRIP-1^<-/->マウスで約30%高かった。そこでPP1/PP2A活性阻害剤であるカリキュリンAやオカダ酸存在下にβ3サブユニットのリン酸化を検討したところ、PRIP-1^<-/->マウスでリン酸化レベルが回復した。また電気生理学的実験においても同様の結果が得られた。さらにPKAでリン酸化されたβ3サブユニットはPP1により著明に脱リン酸化されることも確認された。PRIP-1のリン酸化が脳細胞中でも起きるかを検討したところ、海馬、大脳皮質のいずれにおいてもリン酸化が観察され、さらにリン酸化によりPP1cαの結合が抑制された。PRIP-1のリン酸化部位を検索し、94番目のスレオニン(T94)、96番目のセリン(S96)がリン酸化残基であることを明らかにすると共にT94のリン酸化がPP1cαとの結合を制御していることも解明した。このことから、GABA_A受容体のPKAを介したリン酸化による機能的な調節にPRIP-1がPP1cαを受容体にリクルートする足場蛋白として関与していることをつきとめた。 これらの結果はThe Journal of Neuroscience 24(32)20047074-7084に発表した。
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Research Products
(2 results)