2004 Fiscal Year Annual Research Report
担子菌が有する環境応答遺伝子の多様性と新規環境浄化プロセスへの応用
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03J07851
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平塚 宣博 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 担子菌 / シトクロムP450 / マイクロエキソン / 分子多様性 |
Research Abstract |
担子菌P450発現解析に向けたマイクロアレイチップの作製、ならびにアレイ解析 昨年度、担子菌Phanerochaete chrysosporiumシトクロムP450の遺伝子構造のユニークさを明らかとした。そこで、より信頼性の高いアノテーションデータを獲得するため、再度、遺伝子予測を行い、154のP450遺伝子を見出した。この結果より、担子菌がどの生物よりもP450分子種多様性に富むことが示された。また、アレイチップ作製に向けて、引き続きクローニングを行い、P450ライブラリーの充実化を計った。これまでに154遺伝子中、PCRにより134の遺伝子増幅を確認し、115遺伝子のクローニングに成功した。発現していない遺伝子の獲得は困難が予想されるが、今後、種々の誘導物質を用いクローニングを試みる。 得られたクローンをプローブとして用い、P450アレイチップを作製した。コントロールとして、低N源にて培養した菌体を用いた。ストレスとしては、リグニン分解断片(ベラトリルアルコール、バニリン)、環境汚染物質(ジフェニルエーテル、クロロニトロフェン、クロロフェノール、ニトロフェノール)をケミカルストレスとして添加、また高N源にて培養を行い、それぞれの菌体よりRNAを抽出した。その後、逆転写反応を行い、Cy-3及びCy-5によるラベル化cDNAを作成した。競合的ハイブリダイゼーションにより、遺伝子発現解析を行った。現在、再現性の高いデータを獲得することが急務である。しかし、恒常的に発現する分子種、ストレス非特異的に誘導される分子種、ストレス特異的に発現する分子種など存在していた。このトランスクリプトームデータを参照にP450分子種の機能同定に役立つことが期待される。環境モニタリングについては、今後のデータの蓄積、また詳細なプロトコールの修正などが必要と考えられる。
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Research Products
(1 results)