2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J07955
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
檜垣 勇次 九州大学, 先導物資化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高分子反応 / 動的共有結合 / エラストマー / ゲル |
Research Abstract |
1.精密高分子開始剤を利用した熱可塑性エラストマーのコンビナトリアル合成手法の開発 リビングラジカル重合高分子開始剤を用いたPoly (oxytetramethylene) - b - Polystyrene型マルチブロック共重合体を合成し、共重合組成比と力学物性の相関関係を評価した。現在、論文を投稿中である。 2.主鎖型動的共有結合ポリマーの主鎖交換反応による複合化と力学物性評価 昨年度に、主鎖型の動的共有結合ポリマーの創製と、加熱時における主鎖交換反応による複合化(NMR測定などの分光学的手法により評価)に成功している(研究計画B, C)。複合化反応前後における力学物性の変化より、複合化状態の評価を行うことを目的として、動的粘弾性測定を行った。その結果、セグメント環境の相違によるミクロ不均一性が観られるものの、相溶化状態にあることが明らかになった。また、紫外可視吸収スペクトル測定によるフィルムの透過率測定からも、相溶化が確認された。現在、ガラス転移温度が大きく異なるPDMSとPSの複合化反応を行い、詳細な複合化状態の評価を行っている。 3.ラジカル交換反応による動的高分子反応(研究計画D) 昨年度、アルコキシアミン骨格のラジカル交換反応による熱力学的なグラフト化反応系の構築に成功した。これをうけて、今年度は側鎖-側鎖間のラジカル交換反応によるゲル化反応系の構築を試みた。その結果、反応は熱力学的反応系において特徴的な反応挙動を示し、分子間反応が優先される高濃度条件においてゲル化することが明らかになり、平衡条件を偏らせることにより逆反応も可能であることを確認した。このような動的な平衡反応を利用したゲル化反応は例が少なく、得られるゲルの構造(架橋密度、不均一性など)は非常に興味深い。現在、動的光散乱、小角X線散乱,小角中性子散乱測定により構造評価を予定している。
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