2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規ナノ粒子表面修飾法の開発および新規(有機/無機)ナノハイブリッドの構築
Project/Area Number |
03J07956
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松野 亮介 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノ粒子 / ナノハイブリッド / リビングラジカル重合 / 酸化チタン / 水酸化アルミニウム / ポリマーブラシ / ポリスチレン |
Research Abstract |
今年度は、主にルチル型酸化チタン(TiO_2)ナノ粒子(直径15,35nm)および擬ベーマイト型水酸化アルミニウム(直径37nm)ナノ粒子表面ヘリン酸基を介して固定化したリビングラジカル表面重合開始剤からスチレンを重合する新規な表面修飾をおこなった。開始剤とモノマーのモル比および加熱時間を変化させることにより数平均分子量が制御されたポリスチレンをナノ粒子表面へ重合することが可能であった。分子量分布は比較的狭い値であった。グラフト密度はおおよそ0.1chains/nm^2と比較的高密度であり、ポリマーブラシ構造が推定された。また、ハイブリッドフィルムを調整し、その物性を評価した。その結果、ポリスチレンをグラフトしたナノ粒子はポリスチレンマトリクスに対する親和性が向上したため未修飾のナノ粒子に比べてポリスチレンマトリクス中における分散性の向上が確認された。分散性の向上にともない、ポリスチレンをグラフトした酸化チタンをポリスチレンマトリクスへ添加したハイブリッドフィルムは可視光領域において高い透過率を保ったまま、酸化チタンの紫外線吸収特性を付与できることを明らかにした。また、動摩擦試験より、ハイブリッド薄膜はポリスチレン薄膜に比べ、動摩擦係数がゆるやかに上昇し、耐摩耗性の向上を明らかにした。さらに、ポリスチレンをグラフトした擬ベーマイト構造型の水酸化アルミニウムを含有したポリスチレンフィルムは、粒子の分散性が向上したため、少量の添加によりフィルムの熱分解温度を上昇させることが可能なことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)