2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規ナノ粒子表面修飾法の開発および新規(有機/無機)ナノハイブリッドの構築
Project/Area Number |
03J07956
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松野 亮介 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノ粒子 / ナノハイブリッド / リビングラジカル重合 / 酸化チタン / フラーレン / ポリスチレン |
Research Abstract |
今年度は、主にルチル型酸化チタン(TiO_2)ナノ粒子(直径15,35nm)表面へ固定化したアルコキシアミン骨格のリビングラジカル重合開始能を用い、表面からポリマーを直接重合する新規な表面修飾をおこなった。また、ポリマーグラフト化ナノ粒子を含んだナノハイブリッドの調整と物性評価を行った。開始剤とモノマーのモル比および加熱時間を変化させることにより数平均分子量が制御されたポリスチレン(PS)をナノ粒子表面へ重合することが可能であった。比較的狭い分子量分布であった。重合後に得られたPSグラフト化TiO_2ナノ粒子をクロロホルムへ分散し、UV-vis吸収スペクトル測定により安定性を評価した。PSグラフト化TiO_2の場合、高い分散性のため、可視光領域では未修飾TiO_2に観測された散乱光は減少し、それにともない紫外線吸収ピークが増加し、紫外光領域と可視光領域で高い吸光度比を示した。PS鎖とクロロホルム(良溶媒)との親和性および浸透圧効果に起因したPS鎖の立体障害斥力により、TiO_2は凝集することなく安定に分散していると考えられる。次に、PSグラフト化TiO_2とPSマトリクス(M_n=230k)を共にクロロホルム溶液に分散後、大気中で溶媒を蒸発させ、PSキャストフィルムを調製した。透過率測定より、PSグラフト化TiO_2の場合、添加量が少量の場合では、ナノサイズの粒子が分散するため、可視光領域は高い透過率を保ち、TiO_2の紫外線吸収特性を示した。他の物性についても、機械的物性は、元のPSマトリクスに比して、粒子添加量に依存し、上昇した。熱分解温度は、添加量増加に従い上昇した。摩擦摩耗特性の改善も見られた。ポリマーにより表面修飾する方法は、他のナノ粒子であるフラーレン(C_<60>)にも適用可能であり、フィルムの物性を改善することが可能であった。
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Research Products
(3 results)