2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 律子 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / 浮稲性 / 節間伸長 / QTL / マッピング / DNAマーカー / 準同質遺伝子系統 / 高精度連鎖解析 |
Research Abstract |
本研究では,浮稲性を節間伸長開始時期と節間伸長能力に分けて捉え,それらを最低伸長節間(Lowest elongated internode, LEI)の位置と節間伸長速度(Rate of internodal elongation, RIE)を用いて評価している.これまでに,F_2集団を用いて浮稲性に関するQTL解析を行い,LEIの位置に関して2つのQTLsを検出し,qLEI1とqLEI12とした.また,RIEに関しても2つのQTLsを検出し,qRIE1とqRIE12とした.なお,qRIE12はqLEI12とほぼ同位置に検出された. 1.日本型品種台中65号と浮稲品種BhaduaのF_1に台中65号を連続戻し交雑したBC_3F_1集団から,qLEI3およびqLEI12とqRIE12両方を含む領域がヘテロとなっている2個体を,DNAマーカーを用いて選抜した.この2個体に由来するBC_3F_2集団を用いてqLEI3,qLEI12およびqRIE12の単一因子としてのマッピングを行った.両形質は連続的な分布を示したため,QTLマッピングを行った結果,qLEI3を約9cMの領域に,qLEI12とqRIE12を同じ約12cMの領域に検出した.いずれのQTLも相加的な作用を持ち,Bhaduaの対立遺伝子が浮稲性を高める方向に働いていた.本実験では,均一な遺伝的背景のもとでqLEI3,qLEI12およびqRIE12の存在を実証した. 2.上記のBC_3F_2集団から,qLEI3に関する準同質遺伝子系統(nearly-isogenic line, NIL)およびqLEI12とqRIE12の両方に関するNILを得した. 3.上記のBC_3F_2集団から,qLEI12およびqRIE12の領域がヘテロとなっている個体を選抜し,遺伝子単離に向けた高精度連鎖解析に用いる集団として約8000個体からなるBC_3F_2集団を獲得した.
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Research Products
(1 results)