2003 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における新規多重遺伝子発現系とキャップ非依存的な翻訳開始機構に関する研究
Project/Area Number |
03J08066
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松尾 直子 横浜国立大学, 環境情報学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 植物 / 多重遺伝子導入 / Internal Ribosome Entry Site / EMCV / 変異体 / スクリーニング / ルシフェラーゼ / 翻訳 |
Research Abstract |
<研究目的> 植物に複数の外来遺伝子を効率的に導入する多重遺伝子導入手段として、単一のプロモーター・ターミネーターカセットから複数のタンパク質を同時発現させるポリシストロニック遺伝子発現系が有効である。本研究では35Sプロモーター・NOSターミネーターカセット内に2種類のルシフェラーゼ遺伝子をRluc、Flucの順に挿入したpR-Fに、動物ピコルナウイルスEMCV由来のInternal Ribosome Entry Site (IRES)を遺伝子間に挿入したポリシストロニックベクターPR-EI-Fを作製した。 pR-EI-F形質転換タバコは2種類の遺伝子を効率的に発現したのに対して、形質転換シロイヌナズナではpR-EI-Fの下流遺伝子Fluc発現がpR-Fより低かった。すなわち、EMCV-IRESはシロイヌナズナにおいて翻訳開始能を示さない植物種特異性が明らかになった。このような植物種特異性が生じる原因としてIRESを介した翻訳に関与する因子群の種間での違いが考えられ、本研究ではシロイヌナズナ変異体を利用した研究の実施を目的とし、まず変異体の単離を試みた。 <結果> EMCV-IRESの下流に位置するFlucの翻訳量の変化を指標として、変異原処理した種子の後代植物(M2)を用いて非破壊的なスクリーニングを実施した。なお、シロイヌナズナではEMCV-IRESを介したFluc翻訳効率が低いため、Fluc活性が低下した低IRES活性変異体の取得は困難であり、本研究ではFluc活性が上昇した高IRES活性変異体に絞ってスクリーニングを実施した。その結果約30000粒のM2種子から193系統の変異体候補を獲得した。これら変異体の後代を解析し、優性変異体と劣性変異体を各1系統選抜することに成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsuo, N., Minami, M., Maeda, T., Hiratsuka, K.: "Dual luciferase assay for monitoring transient gene expression in higher plants."Plant Biotechnology. 18・1. 71-75 (2001)
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[Publications] Matsuo, N., Gilmartin, P.G., Hiratsuka, K.: "Characterization of the EMCV-IRES mediated bicistronic translation in plant cells."Plant Biotechnology. (in press).