2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08279
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂根 彰 広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 動脈壁インピーダンス / ニューラルネットワーク / 血管状態 / 診断支援システム |
Research Abstract |
本研究では血管状態の非侵襲的な評価手法を考案するとともに,医療支援や健康支援を目的とした新しい血管状態モニタリングシステムの開発を目的としている.そこで,非侵襲計測により得られる生体信号の一つであるプレチスモグラムを用いて血管壁の力学特性を機械インピーダンスでモデル化し,血管壁の"かたさ/やわらかさ"をbeat-to-beatで推定する手法を提案する. 平成15年度は,推定して得られたインピーダンスパラメータを用いて,血管状態をオフライン識別することを試みた.識別能力向上を図り,個人差の影響を少なくする手法としてインピーダンス比,および生体信号比を定義した.また,確率ニューラルネットワークの一種であるLog-Linearized Gaussian Mixture Network(LLGMN)を利用し,手術中における患者の血管状態を識別した. 識別対象とした患者は胸部交感神経遮断術を行った方で,識別した患者とニューラルネットの学習に用いた患者は別の方を用意した.これにより,実際の手術現場で使用することを想定した識別結果を得ることが可能となる.今回,識別する血管状態は,1)安定状態,2)血管収縮状態,3)血管拡張状態,4)ショック状態の4状態とした.結果,患者の血管状態変化を精度良く識別可能であることを確かめることができ,本手法の有効性を示すことができた.また,LabVIEW(National Instruments Corporation)を用いてオンライン識別環境を構築し,beat-to-beatでの血管状態識別可能性を検証した.オンライン識別を行なった結果,オフラインでの識別結果と同様の結果を得られることを確認している.これにより,実際の手術現場でのオンライン識別機能を有した診断支援システムの構築可能性を示すことができた.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akira Sakane: "Discrimination of Vascular Conditions using a Probabilistic Neural Network"The Journal of Robotics and Mechatronics. 16・2. (2004)
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[Publications] Akira Sakane: "Estimating Arterial Wall Impedance using a Plethysmogram"Proceedings of the 29th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society. 580-585 (2003)
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[Publications] 坂根彰: "動脈壁インピーダンスのセンシング"第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門 講演会論文集. 237-238 (2003)
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[Publications] 坂根彰: "ニューラルネットを利用した血管壁インピーダンスのパターン識別"第24回バイオメカニズム学術講演会 SOBIM2003 講演予稿集. 151-154 (2003)
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[Publications] 坂根彰: "生体信号に基づく血管壁インピーダンスの推定"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2003講演論文集. 1A1-3F-D7 (2003)