2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08279
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂根 彰 広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 機械インピーダンス / 血管反応 / プレチスモグラム / 超音波 / トレーニング効果 |
Research Abstract |
近年の高齢化や生活様式の変化に伴い,心臓疾患や脳梗塞といった血管の機能低下に伴う疾患が増加している.これらの病気は動脈硬化が原因であり,血管が硬化することにより引き起こされる.そこで,体内の健康状態を顕著に反映する血管状態を把握することができれば,病気の予防や改善などへの的確なアプローチが行えると考えられる.従来から動脈硬化の進行度を判定する方法として,脈波速度や加速度脈波などが一般的に用いられているが,いずれも血管の硬さを定量的に評価していない.また,血管の状態変化から薬物の効果を判定できるなど,本手法が確立されれば動脈硬化の判断材用のみでなく,医学分野から薬学分野に至る幅広い分野へ応用することが可能となる. 手術現場など限られた環境のみでなく,一般環境で血管の力学特性を非観血に捉える手法を確立することにより,日々の血管状態の変化を評価することが可能となり,動脈硬化など血管の疾患を早期発見できる可能性がある.そこで,従来動脈血圧の計測に利用していたカテーテルの代わりにフィナプレス(Finapres2300,オメダ)を利用し,非観血に動脈血圧をbeat-to-beatで計測し,下肢の血管力学特性を捉えることを試みた.結果,全被験者とも剛性,及び粘性の変化量の比が増加する様子が現れており,提案手法によりトレーニング効果を血管力学特性レベルで評価できることを確認した. また,血管の変位を計測する際プレチスモグラムを利用していたが,赤外光が透過する部位でのみしか血管の拍動を計測することができないため,頚動脈など血管が太い部位での計測を行うことが不可能であった.そこで,超音波を利用して血管の動きを計測することにより,真の血管の硬さを推定することを試みた.結果,頚動脈などの血管の力学特性を提案手法で評価可能であることを確認した.
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Research Products
(5 results)