2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08315
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
石川 奈緒 岩手大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 粘土懸濁液 / カオリナイト / レオロジー / エアロゲル / 圧縮強度 / 弾性率 / SEM |
Research Abstract |
粘土懸濁液のレオロジカルな挙動を明らかにするためには、粘土懸濁液の内部構造の解明が不可欠である。平成14年度には様々な固相率と凍結温度で粘土懸濁液を急速凍結乾燥させSEM観察し、内部構造の定性的検討を行った。今年度はまず試料の凍結時に測定した凍結中の試料中心の温度変化データから,熱伝導方程式を用いて有効熱伝導率を求めた。その結果,凍結温度の違いによる有効熱伝導率の変化は見られず,Frickeの式を適用することによって固相率の増加により懸濁液中の粒子配向が進むと考えられることが示された。 次に内部構造の定量的な考察を行うため,作成したカオリナイトエアロゲルについて圧縮引張試験機で圧縮強度試験を行い,その弾性率と圧縮強度から粒子構造について考えた。その結果、エアロゲルの作成条件によらず,固相率の増加により弾性率,圧縮強度は指数関数的に増加することが明らかとなった。SEM観察から得られたエアロゲル構造の写真により,カオリナイトエアロゲルを正六角形ハニカム構造と仮定し,弾性率と圧縮強度についてモデルに当てはめて検討した。弾性率に関しては,固相率30〜50%において,フリーザーで凍結したエアロゲルは正六角形ハニカム構造モデルに適用でき,ハニカム一辺の弾性率が定数であることも確認された。一方圧縮強度に関しては,固相率30〜50%のフリーザーで凍結した試料において,圧縮強度はハニカム構造モデルで予想される固相率の効果より10^2〜10^5以上の効果を示すことが明らかとなった。これは,ハニカムの一辺の降伏応力が固相率に依存する,すなわち固相率に従い極端に増加するからであると考えられる。今後は液体窒素から作成されたエアロゲルについてより適合する構造モデルを構築することで、懸濁液のレオロジー挙動モデルの確立に向けて新たな展開が期待できる。
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Research Products
(1 results)