2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08315
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
亀井 奈緒 岩手大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | カオリナイト / レオロジー / 粘土懸濁液 / 粒子構造 / 走査型電子顕微鏡 / 圧縮強度特性 / 多孔質体モデル |
Research Abstract |
粘土懸濁液のレオロジカルな挙動を明らかにするためには、粘土懸濁液の内部構造の解明が不可欠である。昨年度は、準濃厚なカオリナイト懸濁液を数段階の温度で凍結乾燥し、走査型電子顕微鏡での観察に加え、圧縮強度試験による構造の定量的検討に取り掛かったところであった。今年度は、圧縮強度試験から測定された圧縮強度と弾性率から、多孔質体の構造モデルを用いて定量的に懸濁液の粒子構造を表すことを試みた。その結果、フリーザーで凍結した凍結乾燥試料は正六角形ハニカム構造に、液体窒素での凍結乾燥試料は立方体open-cell foam構造で表現できることが明らかとなった。この結果は、とりまとめて論文として投稿中である。 また、粘土懸濁液のレオロジー挙動には懸濁液のpHも考慮に入れなければならないファクターである。そこで、塩酸を用いてpH4に調節したカオリナイト懸濁液について液体窒素で凍結乾燥試料を作成し、SEMにて構造観察を行い、pHの変化による構造変化について検討した。 さらに、今年度は中央農業総合研究センター土壌肥料部水質保全研究室の技術講習生として、数ヶ月間研究を進めた。本研究についてのセミナーを行い、多くの研究者の方々から研究に関するアドバイスを受け、研究の発展に繋がった。また、同センターでは、リンの農耕地からの流出について技術講習を受けた。リンは粘土コロイドなどに吸着することによって懸濁態として地下水へ流出すると考えられており、講習を受けたことによって、本課題である粘土懸濁液のレオロジー挙動の研究の応用について考えることができた。
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