2003 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科自家不和合性におけるS対立遺伝子間での花粉側優劣性の分子制御機構解明
Project/Area Number |
03J08326
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
柿崎 智博 岩手大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アブラナ科植物 / 自家不和合性 / S遺伝子座 / 花粉側優劣性 / 遺伝子発現制御 / メチル化 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、class-II系統内では花粉側に直線的な優劣性関係が存在し、SP11の発現レベルで制御されていることを明らかにした。今年度はSP11のプロモーター領域の単離を目的とし、S^<29>,S^<40>,S^<44>の3系統のゲノムライブラリーから、SP11の周辺領域を含む約15kbのファージクローンをそれぞれ単離し、その全塩基配列をショットガン法により決定した。S^<40>とS^<44>由来のクローンには、SP11の上流約10kbにSRKのORFの一部と考えられる配列が座乗していた。そこで、その配列を元にRT-PCR法により、SRK^<40>およびSRK^<44>のcDNAを単離した。S^<29>系統については、SP11とSRKの物理的距離を正確に測定できなかった。すでに解析されているS^<60>のゲノム構造と比較したところ、S^<60>系統とS^<40>およびS^<44>系統では、SP11とSRKの相対的な位置関係および両者の転写方向が一致していたため、class-II系統内ではSP11,SRK,SLG遺伝子の配列と同様に、ゲノム構造も高度に保存されていると考えられた。 SP11の転写制御領域であると考えられるATGより-300bp領域では69.2-85.5%の相同性を有することがわかった。またこれらの領域にはDNAのメチル化の修飾を受けるとされるCpG,CpNpG配列がS系統間で保存されて存在している場所と、S系統特異的な場所が存在していた。
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