2005 Fiscal Year Annual Research Report
W/Oエマルションを用いた局所生化学反応系の開発とゲノム解析への応用
Project/Area Number |
03J08351
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中野 道彦 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロチャンネル / マイクロリアクター / 静電気的操作 / 液滴 / 微小化 / マイクロポンプ |
Research Abstract |
本研究では,W/O(water-in-oil)エマルションを油中水滴型マイクロリアクターと使用することを目的とした.これは,油中に分散した水滴のひとつひとつを小さなリアクターとして作用させる反応系である. その反応系を基板上に作成したマイクロチャンネル内で実現するために,その中での電界を用いた水滴の生成あるいは分裂・サイズ変化の方法を検討し,さらに,マイクロチャンネル内での送液を制御するために交流電界とレーザーを用いたマイクロポンプ機構について検討を行った.外部ポンプを使用しない水滴生成法として,静電霧化現象を用いた.部分的に疎水化したマイクロチャンネル内で水-油の界面を形成し,その界面から静電霧化現象によって水滴を油中に生成した.さらに,マイクロチャンネル内の液滴に交流高電界を作用させることで,元の液滴を微小化できることも示した.次に,機械的可動部のないポンプを開発することを目指して,交流電界と赤外線レーザーによるマイクロポンプ機構の検討を行った.交流電圧を印加した微小電極の近傍に,レーザー焦点を置くことで水溶液に流れを発生させられることを示した. また,W/Oエマルションの反応系の生化学反応への応用として,W/Oエマルションを用いた1分子PCR(polymerase chain reaction)法を検討した.その結果、PCR溶液をW/Oエマルション化して微小な液滴に分散し,DNA分子を液滴内に閉じ込めることで,その局所濃度が等価的に増加し,結果としてDNA,RNAともに1分子からPCR増幅できた.また,W/Oエマルションを作成する方法についても検討し,交流電界を用いてエマルションを作成できることを示した.この方法は,マイクロチューブの外部に電極を設置することで試料溶液と攪拌部との接触を防ぎ,また,微小容量、例えば100μlの菜種油と5μlの水溶液で乳化が可能である.
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Research Products
(8 results)