2003 Fiscal Year Annual Research Report
W/Oエマルションを用いた局所生化学反応系の開発とゲノム解析への応用
Project/Area Number |
03J08351
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中野 道彦 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロリアクター / W / Oエマルション / 静電霧化現象 / EHD / 水滴 |
Research Abstract |
"W/Oエマルションを用いた局所生化学反応系の開発とゲノム解析への応用"に関して,本年度は1.基板上への微細流路の作成,2.電界を用いた流れの発生,3.電界を用いた液滴の生成を行った。1.基板上への微細流路の作成では,ガラスを基板に選択しフォトリソグラフ/ウェットエッチングにより微細流路を作成した。また,モールディング法によりPolydimethylsiloxane(PDMS)を基板にした流路も作成した。2.電界を用いた流れの発生では,油で満たした流路に直流高電圧を印加することにより,流れを起こすことができた。この流れはElectrohydrodynamic flow(EHD)であると考えられ、印加電圧により流れを制御することが可能であった。また,3.電界を用いた液滴の生成では,直流電圧を印加することで水-油界面にて静電霧化によって水滴を形成することができた。この方法を行うために,流路中に親水性・疎水性のパターンを形成する簡便な方法を見出した。ガラス基板上でPDMSを重合させると,それを剥がした部分は疎水的になる。そこで,部分的にPDMSを剥がしてフッ酸水溶液にて処理することでその部分のみを親水的にすることができた。最終的にPDMSを全て剥がすと親水性・疎水性のパターンが形成される。流路中に水溶液と油を導入して,油側を接地し,水溶液側に正極性あるいは負極性の高電圧を印加することで,静電霧化によって平均粒径約9.2μmの液滴を生成することができた。しかしながら,粒径の変動係数が0.3であり、これは生成後の液滴の融合によるためと考えられる。この液滴の融合は水溶液に適当な界面活性剤を加えることで抑制できると考えられる。 本研究で開発した方法では,機械的ポンプを一切使うことが無く,電界のみで液滴の生成・輸送が行えるので、幅広いマイクロ反応系に応用できると期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nakano M., Nakai N., Takashima K., Katsura S., Mizuno A.: "INJECTION OF WATER DROPLET INTO OIL AT T-JUNCTION OF MICROCHANNEL BY D.C.HIGH ELECTRIC FIELD"Book of Abstracts of"17^<th> International Symposium on Microscale Separations and Capillary Electrophoresis, HPCE2004.". 192 (2004)