2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲーム理論及び経済理論における認識論的基礎に関する研究
Project/Area Number |
03J08438
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
石川 竜一郎 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 合理性(Rationality) / 知識(Knowledge) / 信念(Belief) / 実験(Experiment) / 認識能力(Episteinic Ability) / 合理的期待(Rational Expectations) / コア(Core) / 情報(information) |
Research Abstract |
平成15年度研究実績は、当該年度前期・後期に分けて以下の様になる。 前期期間(四月〜六月)は、一橋大学研究論文の最終稿の完成を目指した。これを構成する一連の論文は、本研究課題「非対称情報下における経済主体の認識論的基礎」の基盤となる論文が集められている。これらのより詳細な研究分析を行い、推敲を経て六月十一日に一橋大学より博士学位(経済学)が授与された。この研究論文に収められている全ての論文が現在海外専門雑誌にて投稿審査中となっている。 九月より米国カルフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley:以下UCB)経済学部にて、「経済主体の認識論的基礎」研究を実験経済学の見地から検証するために客員研究員として滞在している。UCBでは現在、実験経済学・経済心理学の立場からの経済行動分析に力を注いでいる。この環境で、実際の経済主体がいかなる認識能力を持ち、また認識能力の限界がどの程度なのかの分析に取り組んでいる。このような主体の認識能力に対する直接的な実験結果はこれまで行われておらず全く新しい取り組みとなっている。この研究は、Assistant ProfessorのShachar Karivとの共同研究として行われている。 本年度は二つの論文が公刊された。一つは上述の研究論文であり、上述のように本研究課題の基礎となる研究が集められている。もう一つは、昨年度松久隆・星野良明両氏との共同研究の結果得られた"Core equivalence in economy under generalized information"であり、京都大学数理解析研究所の講究録に掲載された。本論文は経済主体の認識能力を明示化し、その主体が市場取引を行った際にみられる均衡の特徴を分析している。
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[Publications] Takashi Matsuhisa, Ryuichiro Ishikawa, Yoshiaki Hoshino: "Core equivalence in economy under generalized information"京都大学数理解析研究所 講究録 1337:210-223. 1337. 210-223 (2003)
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[Publications] 石川 竜一郎: "Belief, Rationality, and Equilibrium in Game Theory"一橋大学 大学院経済学研究科. 123 (2003)