2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08520
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
森 宜人 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Research Abstract |
本研究の課題は,第二帝政期から両大戦間期(1880年代〜1930年代初)にかけてのドイツの都市における電力事業の実態を,主として電力事業の実施主体であった都市自治体の動向に焦点をあてて解明するとともに,電力事業が都市生活に及ぼした社会経済的影響について明らかにすることにある。具体的には,ドイツ近代都市の中でももっとも充実した電力事業を展開した都市フランクフルト・アム・マインを主たる事例の対象として,同市自治体の電力事業をめぐる諸戦略,経営の実態,電力事業と市財政の関係,そして同市の工業に対する電力事業の影響などについて考察することである。 このために本年度は,専ら「フランクフルト都市史研究所(Institut fur Stadtgeschichte Frankfurt and Main)において本研究に不可欠な未公刊一次史料の収集を行い}ほぼすべての必要史料の所在を確認すると共に,学術研究論文執筆のためのデータベースの作成につとめた。 また,学会報告及び論文の投稿(以下の1及び2)によりて研究成果の一部を公開し,それらにおいて,電力事業の世界史的転機となったブランクフルト国際電気技術博覧会を手がかりに,フランクフルト市への電力事業導入のプロセスを実証的に解明した。 1.「都市自治体の電力事業導入-フランクフルト電力システム論争を中心に」(第72回社会経済史学会全国大会自由論題報告 2003年6月1日 於:東京経済大学) 2.「フランクフルト国際電気技術博覧会とその帰結-近代ドイツにおける都市電力ネットワーク形成の1モデル」『社会経済史学』第69巻第5号(2004年1月)19〜38頁
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