2004 Fiscal Year Annual Research Report
マクロ・ミクロ・ナノ界面制御によるポリマーアロイ複合材料の高機能化
Project/Area Number |
03J08548
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
溝口 真知子 山形大学, 工学部, 特別研究員PD
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Keywords | 射出成形 / PC / ABS / 内部構造 |
Research Abstract |
代表的なポリマーアロイ,ブレンド材料である,ポリカーボネート(PC)およびアクリロニトリルブタジエンゴムスチレン共重合体(ABS)のブレンド材料とそれらにガラス繊維を充填した材料を射出成形し,樹脂の構造と母材樹脂・強化材界面の構造について検討を行った.また,添加剤を用いた際の厚み方向とくに表面部分の構造の変化と物性の関係について詳細に観察を行った. 界面部分の観察に当たっては,一部成分の染色処理後の試料を電子顕微鏡の反射電子像で観察するという手法を用い,これまで以上に詳細な構造,すなわち界面付近でブレンド樹脂存在比が変化し,用いた材料系ではガラス繊維まわりにはポリカーボネートが多く存在していることを明らかにすることができた. 透過型電子顕微鏡を用いて上記成形品の表面近傍のモルフォロジーについて,三次元的に観察行ったところ,ナノオーダーの厚みのフィルムが積層する構造が確認された.添加剤を使用した場合には,フィルム積層構造がより形成されやすいことがわかった.成形条件の一つである射出速度の影響について検討を行ったが,いずれの射出速度においても同様の様相を呈することがわかったが,その構造が観察される厚みが射出速度によって異なる可能性を示した.さらにその個々のフィルム層内部においても特異な形態の構造が確認された.これらの構造は,力学物性(伸び),表面特性(傷つき性)に影響を及ぼしていることがわかった. これらの成果は,米国プラスチック工業会,プラスチック成形加工学会等にて口頭発表を行い,現在雑誌論文として投稿中または,投稿準備中である.
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Research Products
(6 results)