2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの繰り返し配列を認識し、その部位を特異的に検出するDNAプローブの開発
Project/Area Number |
03J08683
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北村 裕介 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNAコンジュゲート / テロメア / ハイブリダイゼーションプローブ / 協同性 / 反復配列 / ルテニウム錯体 / インターカレーター / UV融解実験 |
Research Abstract |
テロメアは染色体の末端に存在する長い反復配列(d(TTAGGG)_n:ヒトテロメア)であり、その反復回数(長さ)はアポトーシスや発癌のメカニズムに関与していることが分かっている。本研究ではこのような繰り返し配列を、その1単位に相補的な配列(cTL(complementary telomere);d(CCCTAA))を有するODN(オリゴヌクレオチド)とインターカレーターとのDNAコンジュゲートを用いて特異的に認識することを試みた。 1,DPPZ(ジピリドフェナジン)、2,Phen(フェナンスロリン)、3,[Ru^<II>(phen)_2DPPZ]^<2+>、4,[Ru^<II>(phen)_3]^<2+>の活性エステルを合成し、cTLの5'末端からリンカーを介して存在するアミノ基とのカップリングによって目的のコンジュゲートを得た(DPPZ-cTL(1),Phen-cTL(2),[Ru^<II>(phen)_2DPPZ]^<2+>-cTL(3),[Ru^<II>(phen)_3]^<2+>-cTL(4))。3,4のルテニウム錯体とのコンジュゲートにおいてはコンジュゲートを合成した後に、キラル分割カラムを用いてジアステレオマーを分離し、CPスペクトルを測定することによって確認した。 1、2及び3とターゲットtelo-s(d(TTAGGG))との二本鎖の融解実験から得られた融解温度T_mからその熱力学的安定性の評価を行った。その結果これらのDNAコンジュゲートは、平面配位子部位のインターカレーションにより、相補ODNと非常に強固な二本鎖を形成することが判った。同塩基配列の未修飾ODNとtelo-sが形成する二本鎖のT_mが6.1℃であったのに対し、これらはそれぞれ20.9℃(1)、17.2℃(2)、27.8℃(Racemic-3)、23.8℃(3Δ)、 33.1℃(3∧)であることが判った。
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Research Products
(1 results)