2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08684
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
庄司 卓央 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 金属ガラス / アモルファス合金 / 摩擦接合 / 過冷却液体 / 高速超塑性 |
Research Abstract |
本年度は、異種金属ガラスの摩擦接合を中心に行い、その接合メカニズムの解明を回転型平行円板レオロジーモデルによって試みた。 (1)異種金属ガラス同士の摩擦接合と摩擦接合条件の確立 代表的な金属ガラスであるPd基やZr基の金属ガラスを用いて異種金属ガラス同士の摩擦接合を試みた結果、ガラス遷移温度差が約50K以内の異種金属ガラス同士においては、結晶化することなく強固に接合することができた。しかし、ガラス遷移温度差が約50K以上の異種金属ガラス同士においては、いかなる摩擦接合条件においても、ガラス遷移温度が低い方の金属ガラスが一方的に変形し、良好な接合は得られなかった。これは、接合界面温度はある一定温度以上には上昇しないという後述の温度の自己制御機能によるものと考えられる。 (2)金属ガラスの摩擦接合における接合メカニズムの解明 回転型平行円板レオロジーモデルを用いることにより摩擦接合の解析を行った結果、本モデルによると摩擦接合における接合界面の発熱量は粘性に比例していることがわかった。このことと金属ガラスの粘性の温度依存性の関係より、金属ガラスの摩擦接合における接合界面では、過冷却液体状態における粘性の温度依存性が極めて大きいために、接合界面温度が上昇すると発熱量が減少し、接合界面温度が低下すると発熱量が増加するといった温度の自己制御機能が働いていることがわかった。さらに、接合面に厚い酸化皮膜を形成した金属ガラスの摩擦接合を試み、接合面における酸化皮膜の流動状態を解析した結果、接合面の酸化皮膜は全て円周外部すなわち張り出し部に向かって排出されていることが確認できた。この結果から、接合界面の酸化皮膜が接合界面部分の金属ガラスと共に外部に排出され、両金属ガラスの新生面同士の金属結合により接合できるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Shoji: "Joining of Zr_<41>Be_<23>Ti_14Cu_<12>Ni_<10> Bulk Metallic Glasses by a Friction Welding Method"Materials Transactions. 44. 1809-1816 (2003)
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[Publications] T.Shoji: "Welding of Bulk Metallic Glasses to Different Ones"Materials Science Engineering A. (in press). (2003)
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[Publications] Y.Kawamura: "Welding Technologies of Bulk Metallic Glasses"Journal of Non-Crystalline Solids. 37. 152-157 (2003)