2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08684
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
庄司 卓央 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 金属ガラス / アモルファス合金 / 摩擦接合 / 過冷却液体 / 高速超塑性 |
Research Abstract |
本年度は、金属ガラスの摩擦接合における接合メカニズムを解明することを目的に、接合界面の温度測定やその場観察を行うことにより詳細に調査した。また、新たに金属ガラスとMg合金の摩擦接合を試み、その接合可能性を調査した。 (1)接合界面の温度測定とその場観察 Pd_<40>Ni_<40>P_<20>金属ガラスと接触面に熱電対を挿入した軟鋼とを摩擦接合させ、金属ガラスが変形するときの接合界面の温度履歴を測定した結果、最高到達温度は本金属ガラスのガラス遷移温度以上結晶化温度未満であった。この結果は、摩擦接合時の接合界面は過冷却液体状態となっていることを示しており、金属ガラスの摩擦接合は過冷却液相接合であることが明らかになった。また、高速度カメラによる金属ガラス同士の摩擦接合過程のその場観察の結果、金属ガラスは約80mm^3/sという極めて速い速度で約400μmの張出しを逐次形成していることがわかった。このことから、過冷却液体状態となった接合界面の金属ガラスは、高速超塑性変形により接合界面の外側に張出しとして形成されていることが明らかになった。 (2)金属ガラスとMg合金の摩擦接合 金属ガラスと商用Mg合金(AZ31、AZ61、AZ91、AM60)や室温で高強度・高延性を有すとともに高速超塑性を示すMg_<97>Zn_1Y_2 RS P/Mとの摩擦接合を試みた結果、接合界面外周部には超塑性変形による張出しが観察され、接合界面の金属ガラスとMg合金がともに変形して接合していることがわかった。接合界面には欠陥が観察されず、前面に渡って接合できていた。X線回折の結果、金属ガラス側は結晶化することなくアモルファス構造を保持しながら接合できていることがわかった。また、引張試験の結果、破断はMg合金側で起こっており、引張強度はMg合金本来の強度と同等であり、接合部は十分な強度を保持して接合できていることがわかった。
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Research Products
(1 results)