2003 Fiscal Year Annual Research Report
数論的関数の和および格子点問題より生じる誤差項の平均値理論の研究
Project/Area Number |
03J08694
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古屋 淳 山口大学, 理学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 数論的関数 / 平均値定理 / ガウスの円問題 / Ω-評価 |
Research Abstract |
数論的関数の誤差項の平均値に関して、「離散型平均値」と「連続型平均値」の二種類の平均値の差に関する研究を行った。これに関しては非常に広い範囲の関数を含む一般論としての成果、およびその結果の古典的な円問題への拡張を得ることが出来た。特に、二乗平均については最良の誤差を持つ漸近公式を、三乗平均に関してはほぼ最良と思われる誤差を持つ漸近公式を、それ以上の高次冪平均に関してはその差の上からの評価を与えることが出来た。二乗平均に関してはHardyによる古典的な結果の大幅な改良になっており、それ以外については本研究で新たに得られた結果となっている。 さらに、数論的関数とその和より生じる誤差の冪乗とを掛け合わせた関数の平均値を考察した。このようなタイプの関数の漸近公式および上からの評価を、特に約数問題と円問題の場合に詳しく考察した。またとくに約数問題においては、その結果の系として「Ω-評価」と呼ばれる誤差項のある種の評価に関する理論に対して既存のものとは異なる結果を得ることに成功した。この最後の結果に関しては、既存の結果の改良とはなってはいないが、この研究の継続により改良を得るための道筋などの考察もあわせて行った。これらの結果は現在専門雑誌に投稿中である。 また、合同条件付き約数問題の代数体への拡張については、その代数体がある特殊な条件を満たす場合については代数体上の約数関数の和公式を得ることが出来た。この条件をはずして一般的状況で結果を得ること・平均値定理を得ることについては最終的な結果を得るところまでは到達していない。これらについては今後も更なる発展を目指し継続して研究を行っていきたいと思っている。
|