2004 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド蛋白質フィブリル化会合体の偏光顕微赤外分光
Project/Area Number |
03J08765
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
平松 弘嗣 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 生体分子(蛋白質) / アミロイド線維 / 振動(赤外・ラマン)分光法 |
Research Abstract |
今年度、赤外顕微分光およびラマン分光を用いてβ2-ミクログロブリンのアミロイド線維の構造を明らかにするため、蛋白質から切り出した#21-29,#21-31,および#20-41という3種類のフラグメントのアミロイド線維に関する研究を行っている。これまでにこれら3種類の線維の構造に関して、詳細な知見を得ている。まず#21-29フラグメントのアミロイド線維は、SS結合で結びつけられた2枚のβシートからなり、βシートは逆平行積層であること、9残基中8残基程度がβシート構造であることを明らかにした。#21-31フラグメントのアミロイド線維はSS結合で結びつけられた2枚のβシートからなり、βシートは平行積層であること、11残基中6残基程度がβシート構造であることを明らかにした。また#20-41フラグメントのアミロイド線維はSS結合で結びつけられた2枚のβシートからなり、βシートは平行積層であること、22残基中13残基程度がβシート構造であることを明らかにした。明らかにした構造をもとに、天然構造に見られる側鎖間相互作用のうち疎水性(芳香族間・脂肪族間)相互作用はフィブリル中でも有効であること、電気的(荷電側鎖間)相互作用は必ずしも有効ではないことを見いだした。この知見は蛋白質フィブリル構造を解明する際の一つの手がかりとなる。
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