2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内蛋白質の活動の可視化を目指した蛍光性バイオセンサー構築
Project/Area Number |
03J08766
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
清中 茂樹 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光アフィニティーラベル化 / バイオセンサー / アセチルコリン受容体 / ムスカリン受容体 |
Research Abstract |
本年度は、光アフィニティーラベル化剤の合成を中心に行った。リガンド結合が細胞内に伝達されるアゴニスト型と、伝達されないアンタゴニスト型の光アフィニティーラベル化剤を合成した。アゴニスト型としては、アセチルコリン構造・光反応基・ケトン基を有するラベル化剤を有機合成した。その際に、光反応基は性質の異なる2種類の官能基(フェニルジアジリン、フェニルアジド)を用いた。また同様の方法論により、アンタゴニスト型のラベル化剤の合成も行った。 モデル系となるムスカリン受容体(mAChR ml)の構築を行った。N末端にヒスチジンタグを有するmAChR mlを導入したプラスミドを構築した。そのプラスミドを動物細胞(CHO-K1,COS-7)に一過的に発現させて発現確認を行った。ゲル電気泳動、ウェスタンブロッティングの結果から、この人工mAChR mlが動物細胞で発現していることを確認できた。次にCHO-K1細胞を用いて、mAChR mlの安定発現系細胞を構築した。またその細胞を用いて、mAChR mlが過剰に含まれる細胞膜画分も調整した。 次にトリチウム標識アンタゴニストを用いた結合実験を行った。その結果、上記の数種類のラベル化剤がミリモル濃度の親和性でムスカリン受容体に結合できることが判明した。その結果をふまえた上で、光アフィニティーラベル化の初期的な実験を行った。細胞膜画分を用いてラベル化を行った結果、数種類の蛋白質がラベル化されていることを確認することができた。今後はムスカリン受容体だけを選択的にラベル化できる条件を検討し、リガンド結合を蛍光の変化として読み出せるバイオセンサー構築へと発展させていく。
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[Publications] Shigeki Kiyonaka et al.: "pH-Responsive Phase Transition of Supramolecular Hydrogel Consisting of Glycosylated Amino Acetate and Carboxylic Acid Derivative"Supramolecular Chemistry. 15・7-8. 521-528 (2003)
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[Publications] Shigeki Kiyonaka et al.: "Semi-wet peptide/protein array using supramolecular hydrogel"Nature Materials. 3・1. 58-64 (2004)
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[Publications] 加納 航治ら: "生体機能関連化学実験法"化学同人. 161-178 (2003)