2003 Fiscal Year Annual Research Report
メタボロミクスを起点とした植物ペルオキシソームの機能解析
Project/Area Number |
03J08767
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
新井 祐子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ペルオキシソーム / グリオキシソーム / 代謝制御 / キナーゼ反応 / キナーゼタンパク質 |
Research Abstract |
タンパク質のリン酸化、脱リン酸化反応は多くの生命反応を制御していることが知られている。近年、ペルオキシソームのプロテオーム解析からグリオキシソーム局在型キナーゼタンパク質の存在が報告された。そこでペルオキシソーム機能に関与するリン酸化タンパク質の検索を行った。 カボチャ黄化子葉から単離したグリオキシソームを用いてグリオキシソーム局在型タンパク質のキナーゼ活性を検討した。グリオキシソーム局在型キナーゼタンパク質を検索するため、単離グリオキシソームをSDS-PAGEした後、[γ^<32>P]-ATP存在下、ゲル内リン酸化反応を行った。その結果、pH8.0-pH8.5で自己リン酸化能を有する複数のタンパク質が検出された。検出されたタンパク質はグリオキシソーム局在型キナーゼタンパク質であることが期待される。また、単離グリオキシソームに[γ^<32>P]-ATPを添加してin-vitroキナーゼ反応を行った。その結果pH及び金属イオン依存的にリン酸化されるタンパク質が検出された。さらに、グリオキシソームに存在する代謝経路の一部の酵素活性がアルカリフォスファターゼ処理により低下した。以上の結果から、グリオキシソームの代謝調節にグリオキシソーム局在型キナーゼタンパク質が関与していることが示唆された。今後はこれらのタンパク質の同定を行い、ペルオキシソームの代謝及び機能変換におけるタンパク質リン酸化による制御について研究を進めていく。
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