2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物のプログラム細胞死を司る液胞プロセシング機構の解析
Project/Area Number |
03J08768
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
吉浦 美和 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 液胞プロセシング酵素 / 液胞 / シロイヌナズナ / プログラム細胞死 / プロセシング / プロテイナーゼ |
Research Abstract |
液胞の機能転換に必須なタンパク質の成熟化に関与する酵素として液胞プロセシング酵素(vacuolar processing enzyme ; VPE)が見いだされている.VPEは老化・傷害・ウイルスにより強く発現することから,植物の細胞死や防御機構に関与していることが考えられる.そこで,本研究は,細胞死におけるVPEの機能について解析すること,液胞に局在するVPEを介したプロセシング系の解明を試みることを目的として,高等植物の細胞死機構を明らかにすることを目指す. (1)植物細胞死におけるVPEの機能解析 細胞死誘導時のVPEの挙動を調べるため,VPE欠損体・過剰発現株体を作出した。変異体や形質転換体における表現型を観察中である。さらに植物の細胞死を引き起こすシグナルは様々だが、その中でもウィルスや糸状菌・バクテリアなどに着目し、細胞死を誘導した際,これらの植物体におけるVPEの挙動・細胞の生存率等を検討している. (2)VPEを中心としたプロセシング系の確立 VPE欠損体の作出に成功したので、野生型との比較によるプロテオーム解析を試みたが、大きな差は見られなかった.そこでVPEは液胞に局在するのでその標的タンパク質が液胞にあると考え、野生型とノックアウト変異体から液胞を単離することにした。現在大量に液胞を単離精製し、プロテオーム解析を行っている. (3)動物の阻害タンパク質が植物細胞死に及ぼす影響 植物体でのカスパーゼ阻害タンパク質の機能を調べるために,昆虫細胞由来のカスパーゼ阻害タンパク質であるp35過剰発現株を作製することができた.現在この植物体に細胞死を誘導させた際の表現型やp35に阻害されているタンパク質の同定を試みている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A plant vacuolar protease, VPE, mediates virus-induced hypersensitive cell death2004
Author(s)
Hatsugai, N., Kuroyanagi, M., Yamada, K, Meshi, T., Nishimura, M., Hara-Nishimura, I.
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Journal Title
Science 305
Pages: 855-858
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[Journal Article] Virus-induced hypersensitive cell death in tobacco leaves is regulated by VPE exhibiting caspase-1-like activity2004
Author(s)
Hatsugai, N., Kuroyanagi, M., Yamada K., Meshi, T., Nishimura, M., Hara-Nishimura, I.
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Journal Title
Gordon Research Conference, "Plant Senescence and Cell Death"
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