2005 Fiscal Year Annual Research Report
未公開資料によるルネ・クルヴェル作品の精神分析的・革命論的・科学哲学的背景の研究
Project/Area Number |
03J08812
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 大悟 首都大学東京, 都市教養学部人文・社会系, 特別研究員(PD)
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Keywords | ルネ・クルヴェル / 精神分析 / 革命論 / 科学哲学 / シュルレアリスム |
Research Abstract |
研究課題最終年度にあたる平成17年度、本研究は、シュルレアリスム作家ルネ・クルヴェルの未公開資料(パリ・サント・ジュヌヴィエーヴ図書館内ジャック・ドゥーセ文庫所蔵の自筆「読書ノート:Ms.6929〜6942」他)を実証的に解読・整理し、それをクルヴェル作品(とくに『ディドロのクラヴサン』(1932年出版)を中心とする理論的著作や論考の類)と照合することにより、作家の詩的・政治的活動における精神分析的・革命論的・科学哲学的背景を綜合的に検証するという平成17年度研究実施計画に基づき研究を行った。資料調査にあたっては、年度内通算2回のフランス出張を行った。第一回目は2005年9月14日から9月29日までの計16日間、第二回目は2006年1月24日から2月1日までの計9日間である。これらの出張により、当該「読書ノート」の書写と、読書対象となった書物の特定作業を完了させ、註つきの冊子体としてまとめることができた。また、資料調査に基づくクルヴェル作品の背景を検証する作業についても、同じく冊子体として別にまとめることができた。これらの成果は、将来的には出版も視野に入れながら、世に問うことを検討中である。また、来る2006年5月13日-14日に東京大学で開催予定のシンポジウム「近代の二つの顔-<前衛>と<後衛>」においては、発表者のひとりとして参加を要請され、本研究を踏まえた口頭発表「身体弁証法-クルヴェルの革命論」を行う予定である。
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