2004 Fiscal Year Annual Research Report
未公開資料によるルネ・クルヴェル作品の精神分析的・革命論的・科学哲学的背景の研究
Project/Area Number |
03J08812
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 大悟 東京都立大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ルネ・クルヴェル / 精神分析 / 革命論 / 科学哲学 / シュルレアリスム / バシュラール / ウィーン学派 / ユング |
Research Abstract |
平成16年度、本研究は、シュルレアリスム作家ルネ・クルヴェルの未公開資料(パリ・サント・ジュヌヴィエーヴ図書館内ジャック・ドゥーセ文庫所蔵の自筆「読書ノート:Ms.6929〜6942」他)を実証的に解読・整理し、それをクルヴェル作品(とくに『ディドロのクラヴサン』(1932年出版)を中心とする理論的著作や論考の類)と照合するという平成16年度研究実施計画に基き研究を遂行した。資料調査にあたっては、年度内通算3回のフランス出張を行った。第一回目は2004年6月30日から7月15日までの計16日間、第二回目は2004年10月20日から11月4日までの計16日間、そして第三回目は2005年2月23日から3月10日までの計16日間である。これらの出張により、当該「読書ノート」書き写しの精度をさらに上げることができた。また、フランス国立図書館等(日本においては各大学図書館等)を利用することにより、読書対象となった書物の特定作業等もより一層進めることができた。本年度は、以上のような資料調査の充実をはかる一方で、得られた成果をクルヴェル作品と照合する作業も積極的に行われた。そうした研究成果の一部として、論文「シュルレアリスムと科学哲学(2)-ルネ・クルヴェル「愛と詩と科学と革命の交差点に」読解」を執筆し、東京都立大学仏文研究室『佛文論叢』第16号(2004年12月20日発行、35〜61ページ)に掲載した。これは、本研究が調査したクルヴェル資料のうち、「20世紀諸科学」(Ms.6942:1/10〜10/10)と銘打たれた読書ノートをとくにとりあげて、それをクルヴェル作品(とりわけ作家最晩年の科学論「愛と詩と科学と革命の交差点に」)と照合することにより、作家の独自な科学受容の実態を実証的に解明したものである。
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Research Products
(1 results)