2004 Fiscal Year Annual Research Report
郊外第二世代のライフコースと大都市圏地域の構造変容に関する研究
Project/Area Number |
03J08826
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中澤 高志 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大都市圏 / 地方圏 / 郊外第一世代 / 郊外第二世代 / グループインタビュー / 情報サービス産業 |
Research Abstract |
本研究の目的は,郊外第二世代の職業経歴や居住経歴におけるライフイベントを,大都市圏の空間構造を変容させる営力と認識したうえで,郊外第二世代のライフコースを郊外第一世代や地方圏出身者と比較分析することである. 近年社会科学全般において郊外に関する議論が活発化しているが,そうした議論が前提としているのは,高度成長期に大都市圏に流入し,郊外に定着した郊外第一世代のライフコースである.そこで既存研究の精読やデータから,郊外第一世代にとっての郊外がいかなる場所であったかを整理するとともに,郊外第二世代の動向を踏まえつつ,今後の郊外の行く末を展望する作業を行った.その内容は関東都市学会において発表した. 前年度,神奈川県横浜市と石川県金沢市の高校卒業生に対してアンケート調査を行っている.本年度は分析を進め,郊外第二世代の離家や居住地選択の態様を把握するとともに,地方圏に特有の高校卒業時の進路選択が地方圏出身者のライフコースに大きな影響を与えることを明らかにした.またアンケート調査に加え,協力者を募ってグループインタビューを行い,大都市圏郊外出身者と地方圏出身者のライフコースに対する意識の違いを把握した.一連の研究から得られた知見は,地理学評論に論説として掲載されることが決定している. 地方圏出身者に対する研究の結果,地方圏出身者が出身地に定着したライフコースを送るにあたり,情報サービス産業がつくり出す雇用機会が一定の役割を持っていることが明らかになった.そこで本年度は,大分県をはじめとする地方圏において,情報サービス産業の展開について聞き取り調査を行った.
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