2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08832
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小野 肇 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ハミルトン極小ラグランジェ部分多様体 / ハミルトン安定 / トーリックケーラー多様体 |
Research Abstract |
本年度の研究により、以下の成果が得られた: 昨年度までは、ケーラー多様体内の極小ラグランジュ部分多様体のシンプレクティック幾何的な不変量(マスロフ指数)の微分幾何的な特徴付け、ハミルトン安定性及びハミルトン体積最小性について研究してきたが、本年度は扱う対象を拡大し一般の意味では極小とは限らないハミルトン極小ラグランジュ部分多様体のハミルトン体積最小性の問題を調べた。(極小性の場合と異なり、ハミルトン極小性は「マスロフ指数の微分幾何的な特徴付け」とは独立している。) ハミルトン体積最小性を持つ(極小でない)ハミルトン極小ラグランジュ部分多様体の今まで知られている例は定曲率2次元球面の小円のみである(言い方を変えると定曲率2次元球面は「ハミルトン体積最小ラグランジュファイブレーション」であると言える。)そこで、新たな例を見つけるため、定曲率2次元球面と小円の良い意味での高次元化として、トーリックケーラー多様体の正則なトーラス軌道(トーラスの作用の軌道の中で一番次元の高いもの、これはハミルトン極小ラグランジュトーラスになる、つまりトーリックケーラー多様体は「ハミルトン極小ラグランジュトーラスファイブレーション」である)のハミルトン安定性に関して研究した。直ちにわかったことは、トーリックケーラー多様体をあまり勝手に取ってしまうとハミルトン安定でない正則軌道が存在してしまうという事である。そこで、さらにトーリックケーラー多様体がアインシュタインであると仮定すると(定曲率2次元球面のように)ハミルトン体積最小ラグランジュファイブレーションになるだろうか?という問題を提案し、実際複素射影空間やそれらの直積の場合にはその部分解として、これらが局所ハミルトン体積最小ラグランジュトーラスファイブレーションである事を証明した。
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Research Products
(4 results)