2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J08832
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小野 肇 首都大学東京, 都市教養学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ハミルトン極小 / ハミルトン安定 / トーリックケーラー多様体 |
Research Abstract |
本年度の研究により、以下の成果が得られた: 昨年度までは、特別なケーラー多様体(エルミート対称空間やトーリックケーラーアインシュタイン多様体)内のハミルトン極小ラグランジュ部分多様体のハミルトン安定性ならびにハミルトン体積最小性について研究してきたが、本年度は扱う対象を拡大し、アインシュタイン性のないケーラー多様体内においてハミルトン安定性、ハミルトン体積最小性の問題を調べた。 コンパクトトーリックケーラー多様体の非特異トーラス軌道はハミルトン極小であり(つまりトーリックケーラー多様体は「ハミルトン極小ラグランジュトーラスファイブレーション」であると言える)このような軌道のハミルトン安定性、および、ハミルトン体積最小性を調べる事はとても自然である。そこで、まず最初に、Delzant polytopeから標準的に与えられるコンパクトトーリックケーラー多様体の場合にこの問題を考察し、その結果、与えられたpolytopeによっては「全ての軌道がハミルトン安定」になるもの(例:複素射影空間)や「ハミルトン安定軌道とハミルトン不安定軌道が混在する」もの(例:ヒルツェブルフ曲面)等があることがわかった。さらに、この標準的なトーリックケーラー構造をある形で変形する(具体的に言うと、ケーラーポテンシャルのルジャンドル双対である「複素ポテンシャル」を2次式で摂動する)ことで得られるトーリックケーラー構造を考えることで、「全ての軌道がハミルトン不安定」であるようなトーリックケーラー多様体の族を構成することが出来る事がわかった。
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Research Products
(3 results)