2003 Fiscal Year Annual Research Report
ねじれド・ラームコホモロジーとそのホッジ構造および超平面配置の組合せ
Project/Area Number |
03J08835
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川原 行人 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超平面配置 / マトロイド / Orlink-Solomon代数 / ねじれコホモロジー / 局所系コホモロジー |
Research Abstract |
1.アファイン超平面配置の組合せは点つきマトロイドによって表現される。点つきマトロイドは比較的重要な対象であろうことが,たびたび認識されていたが,それをきちんと記述するにはいたらなかった。この論文で,マトロイドの一般化となる擬マトロイドを公理的に定義し,点つきマトロイドと同値であることを示した。一方、超平面配置の補集合のコホモロジーは純組合せ的に構成されOrlink-Solomon代数と同型になる。これと同様な構成法で擬マトロイドのOrlink-Solomon代数が定義される。特に、通常のマトロイドに対するOrlink-Solomon代数には線形微分作用素が誘導され,よい性質をもつ。この線形微分作用素の像が、擬マトロイドに対するOrlink-Solomon代数に同型となることを示した。これは点つきマトロイドのOrlink-Solomon代数はその基点によらないことを意味し、また、線形微分作用素の像として基点によらないOrlink-Solomon代数の表示を与えている。 2.超平面配置の補集合上のねじれド・ラームコホモロジー(局所系係数のコホモロジー)は、ねじれが一般的な条件を満たすとき最高次以外では消滅することが知られている。その条件は、組合せ的に退化しているところに対応するねじれが自明とはならない、という条件である。この一般的条件を満たさない場合を考える。各超平面に対するねじれが自明となる場合を許したとき、最高次以外で消滅する条件を得た。この結果は今まで得られている条件の拡張になっている。さらに、最高次のねじれド・ラームコホモロジーの基底も知られている構成法を拡張して構成することができた。これは超平面配置のトリプル構成法によるねじれド・ラームコホモロジーの長完全系列を用いて証明される。この長完全系列はこの他にも多くの場合にねじれド・ラームコホモロジーの計算を可能にしていることを実例で示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yukihito Kawahara: "On matroids and Orlik-Solomon algebras"Annals of Combinatorics. (発表予定). (2004)
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[Publications] Yukihito Kawahara: "Vanishing and Bases for cohomology of partially trivial local systems on hyperplane arrangements"Proceedings of the American Mathematical Society. (発表予定). (2004)