2005 Fiscal Year Annual Research Report
種々のガロア理論及びその逆問題に対する構成的研究とその応用
Project/Area Number |
03J08836
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
陸名 雄一 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | ガロア逆問題 / ネーター問題 / 生成的多項式 / 有限群 / 既約表現 |
Research Abstract |
研究課題「種々のガロア理論及びその逆問題に対する構成的研究とその応用」に基づいて研究を行い、以下の成果を得た。 1、有限群の有理数体上での既約線型表現の構成について:研究課題に於ける中心的ま問題は「有限群に対する有理数体上のネーター問題」である。このネーター問題の基本となる上記既約線型表現を構成するアルゴリズムについて考察を行った。有限群の有理数体上の群環QGの(有理数体上の)既約分解を得る為には適当な条件を満たすQGの元を発見する必要がある。当研究では、多くの有限群に対して適用可能な、この元を発見する為のアルゴリズムを開発した。この方法は群環の右(左)イデアルの(線型空間としての)次元を群指標のフロベニウス相互律と結び付けるものであり、計算機に容易に実装することができるという利点を持つ。実際この方法によって、例えばマシュー群M(11)の様な位数の大きい非可換単純群の有理数体上の全ての既約線型表現を容易に構成することができる。また、このアルゴリズムの実装方法に関連して、計算群論ソフトウェアの調査・比較を行い、特に代数計算ソフトウェア「GAP」の代数学教育への応用可能性について検討を行った。 2、ネーター問題と生成的多項式の構成について:前年度に引き続き、ネーター問題及びその肯定解から導かれる生成的多項式のガロア埋め込み問題への応用について研究を行った。本年度は、数論的に簡明なハッセ=ヴィット不変量を持つ様な(交代群をガロア群に持つ)ガロア拡大の構成について考察し、具体的な生成的(或はパラメトリック)多項式を得ることができた。以上の結果に関する論文が現在投稿準備中の段階にある。
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