2003 Fiscal Year Annual Research Report
回族のジャマーアティと中国共産党・政府の社会主義化政策
Project/Area Number |
03J08871
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
澤井 充生 東京都立大学, 社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中国 / イスラーム |
Research Abstract |
今年度は、以上のとおり研究業績をおさめた。 まず、研究発表では、2003年4月6日宗教法人日本ムスリム協会において「回族の清真寺と地域社会(ジャマーアティ)-中国寧夏回族自治区W市の事例から」(イスラーム公開講座)という研究テーマで試演を行った。5月11日に日本中東学会第19回年次大会(於:立命館アジア太平洋大学)に出席し「イスラーム聖者の基をめぐるポリティクス-中国寧夏回族自治区銀川市フフィーヤ派の事例」というテーマで学会発表を行った。5月24日には日本民族学会第37回研究大会(於:京都文教大学)に出席し「火葬された回族共産党員-中国の葬儀改革とイスラーム系少数民族」というテーマで学会発表を行った。学会関連活動として、7月26日に中国ムスリム研究会第5回定例会(中央大学市ヶ谷キャンパス2317号室)、12月27日に同研究会第6回定例会(日本教育会館807)を新免康教授(中央大学文学部史学科)とともに主催者として企画・運営し、日本における中国ムスリムの学術交流の更なる光展に員献した。 雑誌論文では、「死者の罪業をお赦しください-回族の「民俗宗教」覚書」『アジア遊学(特集)路地裏の宗教』58:36-44(勉誠出版)、2003度末(2004年3月刊行予定)に「羊肉料理が伝えるイスラーム-中華料理に根づいた回族の食文化」『Vesta』54:52-57(財団法人味の素食の文化センター)というテーマで研究成果を発表し、回族の人類学的研究の発展に寄与した。 2004年1月から2月にかけて海外学術調査(中華人民共和国)を実施した。北京市、内蒙古自治区、寧夏回族治区において、中国共産党体制下における回族のジャマーアティ(民族宗教的コミュニティ)の歴史・社会変容についてフィールドワークを行った。本調査によって、回族の人々がジャマーアティの形成過程で動員する主要な社会構成原理および社会関係の特徴を把握し、貴重な民族誌的資料を収集することができた。
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Research Products
(1 results)