2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J09046
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長野 方星 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高熱伝導性グラファイトシート / 自律型熱制御デバイス / 熱電変換型ポンプループ / 機能性ループヒートパイプ / 宇宙機熱制御 / 宇宙用断熱材 / 熱伝導率 / 異方性 |
Research Abstract |
宇宙機搭載機器の発熱密度増大,ミッションの多様化に伴い,軽量で効率の良い熱制御システムの開発が期待される。本研究は,軽量でフレキシブルな高熱伝導性グラファイトシートを基材とする「自律型吸放熱デバイス」と「フレキシブル流体ループ」を開発し,従来の熱制御システムの抜本的改良を狙う。以下に今年度の成果を示す。 1.自律型吸放熱デバイス(RTP)プレフライトモデル(PM)の構造設計・要素試作 本RTPは,宇宙航空研究開発機構が2009年に打上げを計画している金星探査機(PLANET-C)への搭載が検討されている。本年度は耐打上環境性を考慮したRTP・PMの構造設計,ならびに各構成要素の検討・要素試作を行った。M-Vロケットの打上荷重を見積り,RTP各部材に対する荷重条件の設定とRTP機能要求条件及びシステム要求条件の分析を行い,構造設計における仕様を検討した。また,未知パラメータである可逆展開フィン駆動部ならびにアクチュエータの剛性に関しては,実験的評価を行うためのグラファイト積層材試作ならびに展開・収納方式・取付け位置の検討を行った。 2.フレキシブルループヒートパイプシステムの提案,概念設計および物性評価 フレキシブルラジエータの流体ループ方式として,ポリイミド(PI)ポーラス材をエバポレータとするループヒートパイプを新たに提案し,エバポレータ製作方法の検討,システム成立性検討を行った。また周期加熱法を基本とする熱拡散率測定装置を新たに構築し,PIウィソクの候補材料であるPIフォームの大気圧環境下における熱拡散率発泡倍率依存性(5〜180倍),温度依存性(-45〜+85℃)ならびに異方性を明らかにした。次に,PIフォームの熱伝導率の圧力依存性(1.0×10^<-6>Pa〜大気圧),幅広い温度依存性(-200〜+400℃)を評価するために,新たに圧力・温度可変型真空評価システムを構築した。
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Research Products
(4 results)