2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J09089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
氏家 良樹 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | デザイン方法論 / 曲線設計 / 巨視的形状情報 / 曲率エントロピー / 曲率積分 / 形状生成 |
Research Abstract |
本年度は、巨視的形状特徴「複雑さ」の定量的表現法と同表現法にもとづく曲線形状生成方法を自動車デザインに応用して、それらの有効性を検証するとともに、形状設計支援システムを構築するうえでの様々な知見を得た。 はじめに、昨年度までの研究において提案された曲率エントロピーと曲率積分の比較を行った。その結果、曲率エントロピーは、対象に応じた適切なパラメータ設定を探索する必要のあることが示された。一方、曲率積分は、曲線形状が変曲点を含まない場合や変曲点数が少ない場合に、「複雑さ」を定量的に表現することが難しくなるが、パラメータ設定を行う必要はなく、形状設計支援システムにおいては、変曲点数を考慮したうえで曲率積分を活用することの有用性が示された。 つぎに、曲率積分を自動車サイドビュー輪郭形状のデザイン分析へ応用した。3車種の自動車サイドビュー輪郭形状から曲率積分を算出し、自動車の販売年との関係を解析した結果、販売年が新しくなるにしたがい曲率積分は減少していく傾向が確認された。一般に、自動車デザインにおけるスタイリングはシンプルな形状に変遷しているといわれており、曲率積分がスタイリングを定量的に評価するうえでの指標として活用できる可能性が示された。 さいごに、曲率積分を自動車デザインにおけるスタイリングに応用した。具体的には、曲率積分を用いた遺伝的アルゴリズムにもとづく曲線形状生成方法を構築し、適用事例として次世代ビークルのスタイリングに応用した。その結果、本形状生成方法は、「複雑さ」を制御したうえでの形状生成が可能であるとともに、同一の「複雑さ」を有する多様な曲線形状を生成できることが確認され、形状設計支援システムに導入することで、デザインの発想過程を支援する可能性が示された。
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Research Products
(6 results)