2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J09150
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桂 誠一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | モーションコントロール / 外乱オブザーバ / 力制御 / バイラテラル制御 / ハプティクス / 手術支援ロボット / マルチラテラル制御 / 加速度制御 |
Research Abstract |
低侵襲手術用ロボットは多くの領域で使用されつつあり,これまでの伝統的な開腹手術を凌ごうとしている。しかし,術者にとってきわめて重要な「触覚」が得られないという国内外で今日まで全く解決されていない問題が存在する。これは,ロボットが環境との安定な接触動作のために必要な環境との相互作用の解析,反作用力の検出法,バイラテラル制御系の構成といった各要素技術の複合的な解析がなされていなかったからである。 本年度の研究において,上記問題点のうち下記に関して次のような成果があった。 1.力覚伝達システムの内視鏡外科用マスタ・スレーブマニピュレータへの適用に関する基本設計 昨年度までの研究で,力センサによる力覚検出は周波数帯域が狭いため力覚の伝達を妨げるばかりでなく,バイラテラル制御系全体の安定性を損ねることが解析により明らかとなった。また,外乱オブザーバに基づいたツインロボットによる力覚検出法「環境クオリヤ」を提案し,差動モードで力覚を検出することにより,摩擦による雑音を除去した広帯域の力覚の検出が可能になることを明らかにした。本年度はそれを受けて「環境クオリヤ」を実際のマスタ・スレーブマニピュレータに適用し,機構中の摩擦を除去した極めてよい操作性および再現性を獲得することに成功した。 2.触覚提示システムの基本設計 バイラテラル制御を構成する際,これまではマスタシステム・スレーブシステムに対して独立した制御系を設計することが一般的に行われてきた。本年度は,マスタ・スレーブシステムにおけるコモンモードにおいて力サーボ系を構成し,ディファレンシャルモードで位置のレギュレータを構成することによって,作用反作用の法則を実現するだめの基本設計論を確立した。本年度はさらに加速度制御に基づいた設計法が2システム間のバイラテラル制御に有効であるばかりではなく,マルチラテラル制御に拡張することに成功した。
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Research Products
(6 results)