2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子マーカーを利用した高品質・安定多収型イネ科牧草の開発
Project/Area Number |
03J09220
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 創平 北海道大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 牧草 / 収量 / 飼料価値 / QTL / 分子マーカー |
Research Abstract |
本研究は、ペレニアルライグラスにおいて利用可能な分子マーカーの開発を試みると同時に,収量・品質関連形質に作用するQTLや形質問の相関関係に関わるゲノム領域の同定・解析を試みている.平成15年度の研究概要は以下のとおりである. 1.イタリアンライグラスやイネのSSR・ESTマーカー情報を国内の研究機関から得て、ペレニアルライグラスの遺伝解析集団(Perma/Aurora F_2集団)を用いて解析した.その結果,1つのマーカーをペレニアルライグラスの連鎖グループにマッピングできた. 2.イネのマーカーをペレニアルライグラスに応用するため,国内外の研究機関(農林水産先端技術研究所・国際イネ研究所)に行き、意見交換・情報収集に努めた. 3.ペレニアルライグラスの遺伝解析集団を温室内で栽培して,収量性に関わる農業形質(分げつ数、草丈、乾物収量等)と飼料品質(水分、CP、NDF)を調査した.その結果,合計71のQTLsが検出され、これらの多くが12のゲノム領域に位置づけられた。これら12の内6つの領域には、分げつ数と乾物重又は分げつ数のみを増加させるQTLが認められ、収量の遺伝的改良にとって有用な遺伝子があると推測された。CP又はNDFのQTLは、6つの領域に認められた.そのうち1つの領域には、他の遺伝解析集団を使った過去の解析でもCPやNDFのQTLが示唆されていたことから、ペレニアルライグラスの飼料品質を制御する主要な遺伝子が存在すると考えられた. 4.この遺伝解析集団を野外の圃場に2反復で展開して,次年度以降のQTL解析の準備を行った.
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